旅人なら一度は行ってみたい新世界七不思議のひとつマチュピチュ。
南米ペルーの山奥にひっそりと存在するこの古代インカの遺跡は、毎年世界中からの観光客で賑わい、いい意味でも悪い意味でも踏みならされた名所となっています。
日本からだとかなりの乗り継ぎと時差が予測されるのですが、今回はアメリカのカリフォルニアからメキシコ経由のフライトでリマに入り、そこからクスコまで訪れた僕の個人体験を紹介します。
以下、マチュピチュに初めて訪れる方には知っておいていただきたいポイントです:
- 標高3388mに位置するクスコでは高山病の恐れがありますので最低でも2~3日間は滞在して身体を環境に慣らしておきます。もちろんあなたのスケジュールや予算にもよりますが、 標高1548mのリマからクスコまで一気に移動する際には注意が必要です。
- 高山病の対策は必須。症状の出方は人によりますが、個人的にダイアモックスなどの投薬での症状緩和は最終手段と考えて、渡航前に標高の高い山に出てトレーニングを重ねたり、長距離の登山に備えた身体的な準備が一番重要になるかと思います。
植物性のサプリメントなどは副作用なども無いので僕も出発前に購入しておきました(こんな感じの)。ペルーではコカの葉の茶が全般的に高山病に効く薬として使われていますが、まったく効果のない方もいるみたいです。
心配であれば最終手段としてのダイアモックスも事前に処方してもらうといいかもしれません。ダイアモックスと高山病の関係についてはこちらのウェブサイトで詳しく書かれています。 - 4月から11月上旬に掛けてマチュピチュは乾季に入ります。この時期が一番観光客で賑わうのでツアーなどの予約は早めに取ることを薦めます。12月から3月までは雨季になりますので、豪雨や泥濘などで足元が不安定になることは覚悟したほうがいいです。
- インカ・トレイルの登山ルートは2月中閉鎖されます(マチュピチュは入場可)。
- インカ・トレイル、その他のマチュピチュへ続く登山ルートはガイドの同伴無しでは入れないという規制があります。事前にツアー会社を通してツアーをブッキングしましょう。ツアーのお申し込みは英語かスペイン語での対応になりますがX-Treme Tourbulenciaがお勧めです。対応も親切かつ迅速なので今回紹介するトレッキングのツアーも安心して申し込めました。
- マチュピチュの背景にそびえるワイナピチュ山の頂上からはマチュピチュのダイナミックな全貌が一望できます。ここは記念写真の絶好スポットとして知られていますが、急な斜面を一時間ほど登って行かないと辿り着けないため体力を要求されます。ワイナピチュへの入山には許可書が必要になりますのでツアーを申し込む際に必ず要望しておきましょう。
- マチュピチュはAguas Calientesという村からシャトルバスでのアクセスが可能です。登山が無理な方はクスコから列車でAguas Calientesまで入り、そこからバスでアクセスというのもOKです。
ただ、アンデス山脈の絶景や大自然の迫力を堪能するにはやはり時間を掛けて足で歩くのがベストですので自分の体力に合わせたトレッキング・ツアーを申し込むといいでしょう。
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マチュピチュへの道
僕がマチュピチュに行ったのは去年の11月末。アメリカでは丁度サンクスギビングのお祝いがある時期でした。南米の季節は丁度春から夏に入りかける時で、本来ならば雨季に当たるオフシーズンだったのですが、この年は太平洋でエルニーニョ気候の影響があり奇跡的に快晴のトレッキング日和に恵まれました。
マチュピチュの位置するアンデス山脈東方はアマゾン河の熱帯雨林の影響で気候が不安定な土地です。雨季、乾季に関わらず防水装備は必須です。特にレインジャケットや防水パンツはいざとなったときに本当に重宝しますので必ず持って行きましょう。
ペルー旅行で一番典型的なルートは首都リマから南下してナスカの地上絵のある「イカ」→白の都「アレキパ」→チチカカ湖のある「プノ」→「クスコ」ですが、これは地理的にも標高の低い場所から高い場所へ上っていくルートなので上述した高山病のリスクを低くする意味でも理にかなっていると言えます。クスコでは最低でも2-3日の休養期間を設けてからマチュピチュを目指しましょう。クスコでのアクティビティーの薦めはこちらの投稿でも紹介しました。
マチュピチュの秘密
マチュピチュに訪れる観光客の数は毎年増え続けています。
2014年には120万人以上の来訪者を記録したほどで一年通して観光客の足は途絶えません。このためせっかく念願のマチュピチュに到着しても人混みでうんざりしてしまうことになるでしょう。
そこで推薦したいのが、インカ帝国の衝撃を世界に始めて伝達したと言われるアメリカの探検家ヒラム・ビンガムの辿った伝説のトレッキング・コースです。
マチュピチュ旅行を計画する上で、ヒラム・ビンガムのペルー紀行は勉強しておいたほうがいいでしょう。英語の本になりますが、ニューヨークタイムズの記者が書いたTurn Right at Machu Picchuにはビンガムの辿った道筋やアンデス民族の歴史、今でも手付かずの状態で山奥にひっそりと存在する謎めいた遺跡などを著者自身が実際に探検した感想を述べながら紹介しているので僕自身、非常に勉強になりました。ちなみにビンガムはインディアナ・ジョーンズのモデルにもなった人物らしいです。
マチュピチュへ続く一番オーソドックスなトレッキング・コースはインカ・トレイルとサルカンテイ・トレイルの二つですが、僕があえてプッシュしたいのがマチュピチュの姉妹遺跡とも呼ばれるチョケキラオと「ラマの町」を巡りながらアンデス山脈を越えてマチュピチュへ向かう、やや難易度の高いルートです。
チョケキラオからマチュピチュへ8日間のトレッキング・ツアー
ヒラム・ビンガムの冒険譚に感化されてチョケキラオに行きたくなった僕は単独でも参加できるトレッキングのツアーを探しました。グループだとツアーの計画も立てやすいのですが、思いつきでスタートした一人旅だったので、オプションは始めから限られていました。
そんな中、チョケキラオとマチュピチュを混載したツアーを運営しているX-Treme Tourbulenciaを発見したのは大きな収穫でした。こちらのツアー会社はクスコにオフィスがあり、スタッフとはメールでのやり取りで色々と質問をしましたが対応も丁寧かつ迅速で申し込みの手続きもスムーズでした。何よりもツアーオプションの豊富さは魅力的で、人里離れた場所にあるチョケキラオやヴィトコなどの遺跡も案内してくれます。
雨季という事で参加者は僕のみ。本来ならば却下されてしまいそうな申し込みでしたが、ツアー会社は快く受け入れてくれました。最終的に別のグループもツアーに参加する事となり、3人+ツアーガイドのパーティーでチョケキラオ~マチュピチュの8日間の壮大なトレッキングに旅立つこととなりました。
チョケキラオからマチュピチュへ8日間のトレッキングをビデオでご覧ください!
今回ツアーの案内をしてくれたガイドのハイメはクスコ出身のベテラン・ハイカーで、英語も堪能にインカ帝国の歴史やアンデス民族の生活風習などの説明も非常に素晴らしかったです。
クスコに到着したその当日にプラザ・デ・アルマス広場にあるX-Treme Tourbulenciaのオフィスで丁寧なオリエンテーションがあり、ツアー各日のアクティビティの詳細や、当日用意するべきものの説明を受けました(特筆:持参するものは寒暖に備えた衣類、ハイキングブーツ、寝袋のみで、その他の装備は必要に応じて会社側が用意してくれる)
トレッキング・コースのマップも同時に受け取りました。
ツアーはガイドの他にテントを張ったり料理を作ってくれるクックと荷物の移動を手伝う馬曳きのスタッフ合計5人のキャラバンと共にアンデス山脈を上り下りするかたちで、合計120km程の長距離を8日間掛けて歩くのでかなりの体力を使いますが、スタッフのケアは行き届いており、初心者でも十分に楽しめるツアーでした!
トレッキング
8日間のツアーはクスコの北西にある小さなCachoraの村からスタートして、アンデス山脈を西から東へ横断しながら途中Apurimac川を越えチョケキラオの遺跡を訪ね、山腹の農家やキャンプ場を転々としながら鉄道の駅のあるHidroelectricaまで向かうというものでした。最後の一日はAguas Calientesから早朝のシャトルバスでマチュピチュの頂上まで上がり、「ワイナピチュ」や「月の神殿」「太陽の門」などを巡りました。以下、8日間のツアーの様子を写真に整理したものです↓
DAY 1
(Cachoraの村からHuayhuacalleのキャンプエリアへ)DAY 2
(山を下りChiquiscaのキャンプ場まで。Apurimac川を越えて再び山を登りMarmanpataのキャンプサイトへ)
DAY 3
(チョケキラオ訪問~切り立った山の上にたたずむMaizalのキャンプ場までの長いのぼり道)
DAY 4
(MaizalからSan Juan Passを抜け、鉱山で銀を拾いながらYanamaへ)
DAY 5
(Yanama Passを抜けてサルカンテイ・トレイルとの合流地点Ccollpapampaまで)
DAY 6
(賑やかな観光地を抜けてコーヒー畑のあるキャンプ場Lucmabambaへ)
DAY 7
(Llactapata遺跡を見ながらHidroelectrica駅まで~鉄道に揺られAguas Calientesの町に到着)
DAY 8
(そしていよいよマチュピチュ!)
いかがでしたか?
オーソドックスになりがちなマチュピチュ観光も日にちを延ばしてアンデス山脈をじっくりと登山することでチョケキラオなどの隠された魅力を体験することが出来ます。もし体力に自身があるならば是が非ともX-Treme Tourbulenciaのような会社を通して、長距離のトレッキングにチャレンジしてみることをお薦します。
人生に一度訪れるかどうかの名所マチュピチュ。
満喫してきてください。
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